ウコギの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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植え付け時期 | 12月上旬~3月下旬 |
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収穫時期 | 4月~6月 |
ウコギはこんな山菜
ウコギ科の落葉樹。栽培適地は北海道から九州地方。寒さに強く、半日陰でも育つ。
ウコギは春に伸びる新芽(若葉)を摘み取って、食用にする。ヒメウコギ、ヤマウコギ、エゾウコギなどいくつかの種類があるが、ヒメウコギとヤマウコギが主に食用として利用されている。
ウコギの育て方(1) 植え付け
ウコギの苗木の植え付け時期は12月上旬から3月下旬。
ウコギの育て方(2) 肥料
肥料は毎年、2月に有機質肥料を施す。
ウコギの育て方(3) 収穫
ウコギの収穫時期は4~6月。やわらかな新芽(若葉)を摘み取って収穫する。
摘み取った新芽(若葉)は、塩茹でして細かく刻んで、ご飯に混ぜてウコギ飯にすると、独特の香りとほろ苦さが楽しめる。
ウコギの育て方(4) 剪定
ウコギの剪定時期は1月上旬から2月下旬。
込み合う部分の枝を間引いて、樹冠内部まで日が当たるようにする。
仕立て方は株仕立て、垣根仕立てなどが向く。株仕立てにする場合、株元から出る枝は4~5本程度に抑える。
ウドの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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植え付け時期 | 4月中旬~5月上旬 |
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収穫時期 | 4月~5月(2年目以降) |
ウドはこんな山菜
ウコギ科の多年草。生育適温は17~18℃。25℃以上や15℃以下では生育が悪くなる。乾燥に弱く、夏に冷涼な気候を好む。適正土壌pHは6.0~6.5。
ウド(独活)は春に萌芽した若茎を採取して、食用にする。成長すると、大きいものでは草丈2m以上になる。冬になると、茎葉は枯れるが、春になると、根株から再び芽が出てくる。
スーパーなどでよく見かける、全体が白いウドは、遮光した暗室の中で萌芽・伸長させたもの。
ウドの育て方(1) 植え付け
ウドの根株の植え付け時期は4月中旬から5月上旬。
1株1芽に切り分けた根株を芽を上にして、株間50~60cm、覆土5cmで植え付ける。
植え付け1年目は根株を養成し、2年目の春から収穫する。
ウドの育て方(2) 肥料
肥料は毎年、6~7月に施す。根株の充実が悪くなるので、8月以降は肥料を施さないようにする。
ウドの育て方(3) 摘心
草丈が1mになったら先端を摘心して、倒伏を防ぐ。摘心芽は食用にできる。
ウドの育て方(4) 収穫
ウドの収穫時期は4~5月(2年目以降)。
萌芽前、根株の上に20~30cm程度の盛土(土のかわりに籾殻を使用してもよい)をする。萌芽して若茎が盛土から出てきたら、株元からウドを切り取って収穫をする。
収穫後は盛土を除去し、新たな芽(収穫後に出てくる)を伸ばして株を養成する。1株からいくつもの芽が伸びてきた場合は、1本に間引く。
ウドの育て方(5) 茎葉の刈り取り
晩秋、茎葉が枯れたら刈り取る。
株を増やす場合
ウドは根株を分割したり(株分け)、挿し木で株を増やすことができる。
根株を分割して増やす場合は、大きくなったウドの根株を萌芽前に掘り出し、ノコギリなどを使って、1株1芽に切り分ける。
挿し木で増やす場合は、用土を入れたポットを用意し、節ごとに切ったウドの茎を3分の2程度、土に挿し込む(茎を逆さにしないようにする)。土を乾燥させないようにして、地温18℃前後で保温して育てると、1ヶ月ほどで発根する。本葉が3~4枚になったら、植え付ける。
ウルイ(オオバギボウシ)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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植え付け時期 | 3月上旬~4月上旬 |
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収穫時期 | 4月~5月(2年目以降) |
ウルイはこんな山菜
キジカクシ科の多年草。生育適温は15~25℃。半日陰で湿り気のある場所を好む。
ウルイは葉が開く前の若芽(葉・葉柄)を食用にする。別名、オオバギボウシとも呼ばれ、観賞用にもなる。冬になると、茎葉は枯れるが、春になると、根株から再び芽が出てくる。
ウルイの育て方(1) 植え付け
ウルイの根株(苗)の植え付け時期は3月上旬から4月上旬。
株間30cmで根株(苗)を植え付ける。
植え付け1年目は株を養成し、2年目の春から収穫する。
ウルイの育て方(2) 肥料
肥料は毎年、春の若芽が伸びる前に施す。
ウルイの育て方(3) 収穫
ウルイの収穫時期は4~5月(2年目以降)。
葉が開く前の若芽を株元から切り取って収穫する。萌芽前に株元に土寄せ(籾殻で代用してもよい)をしておけば、軟白されたやわらかい若芽を収穫できる。
収穫のときは、すべての若芽を切り取らないで、1株あたり1~2芽程度、残しておく。
ウルイの育て方(4) 株分け
株分けは4年に1回を目安に行う。春の萌芽前に1株を2~3芽に分割する。
コゴミ(クサソテツ)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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植え付け時期 | 3月上旬~4月上旬 |
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収穫時期 | 4月(2年目以降) |
コゴミはこんな山菜
コウヤワラビ科の多年草。10℃以下になると地上部が枯れる。暑さや乾燥に弱く、土壌が乾燥しない場所であれば半日陰でも日向でも育つ。適正土壌pHは6.0~6.5。
コゴミは春に伸びる若芽を食用にする。別名クサソテツともいう。冬になると、茎葉は枯れるが、春になると、根株から再び芽が出てくる。
コゴミは株から発生したランナー(ほふく枝)の先端に子株が形成され、株が増えていく。
コゴミの育て方(1) 植え付け
コゴミの根株の植え付け時期は3月上旬から4月上旬。
株間40cmで若芽が隠れない程度に根株を植え付ける。
通常、植え付け1年目は根株を養成し、収穫は2年目の春からとする。
コゴミの育て方(2) 肥料
肥料は毎年、春の若芽が伸びる前に施す。
コゴミの育て方(3) 収穫
コゴミの収穫時期は4月(2年目以降)。
草丈10~15cmの頃に収穫を行う。葉が巻いた状態の若芽を根元から摘み取る。
2番芽(最初の収穫から10日くらいたつと出てくる)は摘み取らないで、そのまま伸ばす。
タラノキ(タラの芽)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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植え付け時期 | 3月下旬~4月上旬 |
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収穫時期 | 4月(2年目以降) |
タラノキはこんな山菜
ウコギ科の落葉樹。栽培適地は全国。多湿には弱い。適正土壌pHは5.5~6.0。
タラノキ(タラの木)の新芽をタラノメ(タラの芽)という。タラノキはあまり枝分かれせずに幹が直立して成長する。枝にはトゲがあるが、トゲの少ないトゲなし系の品種もある。
タラノキの育て方(1) 植え付け
タラノキの種根の植え付け時期は3月下旬から4月上旬。
長さ15cmにカットした種根を水平にして、株間60cm、覆土5cmで植え付ける。
植え付けに使用する種根は鉛筆以上の太さのものが望ましい。種根を植え付けた場合、秋には樹高1m程度にまで成長する。
市販の苗を植え付けてもよい。
タラノキの育て方(2) 肥料
肥料は毎年、3月に緩効性の肥料を施す。
タラノキの育て方(3) 収穫
タラノキの収穫時期は4月(2年目以降)。種根植え付けの翌春には収穫ができる。
頂芽が10cm前後に伸びた頃に、剪定鋏などで付け根から切り取って収穫をする。最初は頂芽を収穫し、その後、やや下から伸びてくる第1側芽、第2側芽も収穫する。
ふかし促成栽培をすれば、枝についた側芽をすべて収穫できる。
タラノキの育て方(4) 剪定
第2側芽まで収穫したら、1~2芽(節)残して、枝(幹)を株元から切り取る(4~5月頃)。タラノキの剪定はこれだけでよい。
2年目以降になると株から発生する枝数も増え、収穫量も増えていくが、タラノキは大株になると枝が貧弱になり、大きな新芽がとれなくなってくるので、枝数を2本くらいに減らすとよい。
ふかし促成栽培をする場合
タラノキの主な栽培方法には露地栽培とふかし促成栽培がある。
露地栽培は露地で栽培し、春に新芽が出たところを収穫する方法。ふかし促成栽培は、1芽ごとに切った穂木(枝)を温床に挿して、1~3月頃に新芽を早出しさせて収穫する方法。
家庭でふかし促成栽培をする場合は、発泡スチロールなどの箱を用いて水浸法で行うのが手軽でやりやすい。ふかし促成栽培をすれば、枝についた側芽をすべて収穫できる(ふかし促成栽培には新駒という品種が適している)。
ふかし促成栽培(水浸法)をする場合は2~3月頃に行う。露地栽培で育てたタラノキを1~2芽(節)残して株元から切り取り(穂木の採取)、さらに、切り取った穂木を1芽ごとに芽の上から斜めに切断する。暖かい室内に発泡スチロールなどの箱を置き、1芽切りの穂木を箱の中に斜めに立てて並べ、水深が5mmになるよう水を入れる。水がなくなったら、半日ほど放置して穂木を乾燥させて(穂木の腐敗防止)、水を同量補充する。
ふかし促成栽培では新芽が7~10cm程度、伸びた頃に収穫をする。栽培を始めてから1ヶ月ほどで収穫できるようになる。収穫後、穂木は廃棄する。
株を増やす場合
株を増やす場合は、3~4月頃に1年間養成した株を掘り上げ、根部を種根として利用する。
ノビル(野蒜)の育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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植え付け時期 | 9月下旬~10月上旬 |
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収穫時期 | 4月~5月 |
ノビルはこんな山菜
ヒガンバナ科の多年草。生育適温は15~23℃。
ノビル(野蒜)は若い葉と地下にできる直径1~2cmほどの鱗茎(球根)を食用にする。ノビルは初夏になると花茎の先端にムカゴができる。その後、地上部は枯れるが、秋になると再び萌芽する。
ノビルは鱗茎の分球やムカゴによって株を増やす。
ノビルの育て方(1) 植え付け
ノビルの種球の植え付け時期は9月下旬から10月上旬。
株間5cm、条間6cmで深さ5cmほどの植え穴をあけて、種球を植え付ける(根を下にする)。
ノビルの育て方(2) 追肥
追肥は3月に施す。
ノビルの育て方(3) 収穫
ノビルの収穫時期は4~5月。
草丈50cm、葉鞘部の太さが8~10mmになった頃に収穫する。葉を引っ張っても簡単に抜けないので、株ごと掘り上げて収穫する。
秋に植え付ける種球にする場合は、鱗茎を日なたで数日、乾燥させたのち、風通しの良い日陰で秋まで保存する。
フキの育て方・栽培方法です。関東地方を基準にした栽培の手順を紹介します。 |
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植え付け時期 | 3月 |
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収穫時期 | 2年目以降の2月~3月と5月~6月 |
フキはこんな山菜
キク科の多年草。生育適温は10~25℃。高温期は生育が停滞する。暑さや乾燥に弱く、土壌が乾燥しない場所であれば半日陰でも日向でも育つ。適正土壌pHは6.0前後。
山菜として知られるフキノトウは、フキの花芽のことをいい、葉柄をフキという。フキは毎年、旺盛に地下茎を伸ばして子株をつくり、株を増やしていく。
品種には、萌芽が早く収量も多い『愛知早生フキ』、草丈が1mを超えることもある『アキタフキ』などがある。
フキの育て方(1) 植え付け
フキの地下茎の植え付け時期は3月。
地下茎を10~15cmの長さに切り分けて、株間25~30cm、覆土5cmで植え付ける。
通常、植え付けた1年目は株の養成に努め、2年目から収穫をする。
フキの育て方(2) 肥料
肥料は毎年、春の若芽が伸びる前と葉柄収穫後(5~6月)と晩夏(8~9月)に施す。
フキの育て方(3) 収穫
収穫時期は2年目以降の2~3月(フキノトウ)と5~6月(フキ)。
フキノトウは早春、苞(ほう)が開く前に株元から切り取って収穫する。
フキは葉柄の長さが50~60cmになった頃に株元から刈り取って収穫する。
フキの育て方(4) 株の間引き・植え替え
植え付けてから4~5年ほどたつと、株が密生し、収量が低下してくるので、株を間引くか、植え替えをする。